環境悪化との戦いにとって、最近の東ヨーロッパで起きた急速な変化は教訓的です。
中央計画経済はうまく機能していないというだけではなく、もともと機能するはずがなかったということが、ほとんど周知の事実になりました。
何も並んでいない商店の棚や店先での長い行列を見れば、中央統制的な社会主義経済が市民の基本的ニーズさえ満たせず・・・
ましてや、それが約束した豊かさを実現することなどおぼつかないことが実感できます。
社会主義計画経済では現行のシステムに内在する矛盾を解決できないことに、ミハイル・ゴルバチョフをはじめとする多くの人々が気づいたとき、改革は避けられないものとなったのです。
これと同様に、世界経済の健康状態を示す指標と、経済を支える環境の健全さを評価する指標とのあいだの矛盾も、ますます大きくなりつつあります。
この本来的に対立関係にある2つのもののぶつかり合いは、今日のあらゆる経済体制に影響をおよぼしています。
西側の産業経済、東側の変革過程にある経済、そして第三世界の発展途上にある経済にも同じ現象が見られるのです。
東ヨーロッパにおける矛盾がそうであったように、経済指標と環境指標との矛盾も、経済の変革によってのみ解決することができます。
すなわち、世界経済のあり方を、環境を持続できる方向に転換していかねばならないのです。